めまといサイクル は、現在準備中です。
2022/02/05 10:19
好きなパーツの話をします。

SHIMANO Tourney TZ SL-TZ500。
現行シマノパーツです。いわゆるサムシフター。ワイヤーを巻き取るだけの原始的なレバー。
シンプルでちょっとクラシックな見た目に憧れ、マイクロシフトのサムシフターをインストールしてみようと思ったら、意外な程のいいお値段にたじろいだあの日。
ローテクだしマイクロシフトだしと舐めてかかると火傷する、シマノXTをも上回る高価格。
他社製品でも事情はさほど変わりません、現代のサムシフターというのはエンスー向け高級パーツなのです。
さて、SL-TZ500がそれらの代替となるかというと、下記のような欠陥があり、なかなか厳しいというのは認めます。
・クラシックとは程遠い小学生の運動靴のような元気いっぱいのデザイン。
・あからさまにプラスチックなチープさ。
・そもそも6速か7速用しかない。
もはやスポーツバイク用パーツといえるかどうかも怪しい代物かもしれません。
しかし、いかにちゃちくてもサムシフターです。
競技の世界からはとうに消え、選択肢が少ない今となっては希少な一手。
先述のデメリットも下記メリットの数々を前にすればかすり傷。
・あらゆるサムシフターというかダブルレバーから派生したシフターすべてに共通するメリット、ローからトップまで一気に変速できることや、シンプルでメカメカしい操作感は(幾分安っぽい手応えではあるものの)しっかり備わっています。
・限られた対応変速段数も、当店で主に取り扱う80年代後半~90年代初頭までの自転車に組み込むなら、むしろ7速こそが花形です。
シマノ最下級グレードのシフターで当時最高級グレードのディレイラーを引く倒錯的愉悦。
・小学生の運動靴のような元気いっぱいのデザインも見ようによってはアリ。
プラスチックであることを下手に隠そうとしない潔さ。清貧。
どうにも目立つインジケーターの赤色も使いようによってはアクセントにできるはず。
・元気いっぱいデザインがどうしてもうるさい人はレバーを裏向けてつけても大丈夫です。
これもサムシフター全般に共通することですが、裏表どっちでもそれなりに使えるというすばらしい美点があります。

・そして何より狂気じみたコストパフォーマンスこそが最大の持ち味。
これ、実売700円以下で手に入るのです。
しかもインナーワイヤー付き。
十分な機能性、おちゃめな見た目、シンプルゆえに応用も効き、お財布に優しい。
サムシフターのような後ろ向きな部品に求めるのはまさにこういうやつと思う方も多いのではないでしょうか。
輪界の価値の転覆を図る、パンクなパーツです。